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2017年1月23日月曜日

モンスターペアレント


娘の学校の先生達が嘆いています。


「年々生徒に指導するのが難しくなってきている、


 父兄もまるでモンスターペアレンとのようだ」と


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目次


1.タイの応援合戦

2.言う事を全く聞かない我儘生徒とモンスターペアレント

2-1.なぜ子供達は変わったのか?

3.子供の問題は親の問題

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 1.タイの応援合戦       







座っているのが中学1.2年生

ここは赤色応援席です







タイの学校では競技会などでの応援合戦に非常に力を入れています。


競技会前の約一ヶ月間は応援の猛練習をします。


基本的にこの練習に参加するのは中学1,2年生で、


高校2年生のスタッフが指導に当たります。




高校野球の応援団よりもすさまじい気合を入れて望まなくてはなりません


娘が中学1年の時、応援の練習から帰って来た娘の腿に

紫色のあざができていました。


叩きすぎでなったのです。


応援ではそれが当たり前で、分からないように そーっと叩いていると


先輩からお叱りを受けることになる厳しい練習です。






ここは茶色の応援席です







チアリーダーは中学2年から高校2年生の中から希望者が選抜されます。


応援は流行の歌の替え歌を歌いながら、踊るチアリーダーに合わせて

手拍子を打ったり人文字を作ったりするわけです。

替え歌を考え、応援の仕方を考えるのもスタッフである高校2年生です。








最後列の服装が違う4人がチアリーダーです







2.言う事を全く聞かない我儘生徒とモンスターペアレント 



先生が言うには

『最近の生徒はもう根性がない。すぐ泣いて嫌がったり、


 注意すると完全に無視したり・・・」


『あなた達の学年は何の文句もなく、泣く人もなく厳しい練習をしていたし

父兄からも帰る時間が遅いとか、腿が紫色になっているなどの苦情はなかった。


あなた達の学年が最後だった。年々ひどくなっている。


今の親は苦情ばかり・・・一体どうなっているのかしら!』


と何人かの先生に言われた。と娘。

一度に何人かに言われたのではなく、

それぞれ時期は違うけど同じことを言うそうです。

先生達の堪忍袋は爆発寸前のようです。





 2-1.なぜ、子供達は変わったのか?    




我が家の長女は1999年生まれ、今年高校三年に進級する17歳。


娘の学校は国立の中・高等学校です。

クラス担任は基本的に、年度の初めに保護者の役割分担を決め

あとは毎日出欠をチェックするだけの存在です。



全校生徒はクラスに関係なく12色に分かれていて、

その色の先生が6年間生活指導をします。

家庭訪問に来るのもその先生です。



生徒会を運営するのは基本的に高校2年生で


娘はその中に属しています。


各色数人ずつ役員になり、先生の補佐として

中学一年生から高校三年生の世話や生活指導を


するのが仕事です。

風紀委員みたいな感じでしょうか。



  大洪水  



娘が6年生時の10月は例年よりも雨量が多く

たくさんの県で被害を受けました。





娘の学校の一階部分も浸水し図書室内の貴重な本台無しになったほどです。


同じ市内でも我が家の回りは被害を免れましたが・・・



首都バンコクそしてアユタヤなどでも家屋内への浸水があり

(一階部分が水に埋もれるほど)


在タイの日系の工場も被害を受けたのです。


学校は丁度秋休み中でしたが、

浸水した学校はその後一ヶ月近く休校になった為、


通常なら3月に行われる中学入試は、5月に延期されました。


タイの盛夏は3月から5月でその期間は夏休みとなります。


例年なら3月中に合否が分かり、

5月中旬の新学期まではゆっくりと休めるはずが


休み中は受験に向けて丸々塾通いをしたので、

この年の子供達には夏休みがなかったのです。

緊張の連続でした。そして


入試・発表・手続き・制服などの準備・新学期と目白押しになり、


(制服に校章と氏名と所属する色を刺繍するので早い段階で準備ができず、

 合格が決まってからの購入になります)


先生方も書類の整理や 新入生を迎える準備に追われたのです。


この期間10日間くらいでした。



そんな状況の中でも子供達は文句も言わず、その環境を受け止め

緊張が続く中、一生懸命だった姿を先生達が記憶しているようです。





昨年入った子供達は新入生が受ける二日間のオリエンテーションで

昼食はグループごとのテーブルで食べるように言われても、

友達の側へ行ったりする子供が多く、注意をすると泣き出す始末で

収集がつかず大変だったと、まさしく『前代未聞』という感じだったと

スタッフとして参加した娘が言っていました。




その体質は入学して何ヶ月経っても変わらず先生を悩ませているわけです。





 3.子供の問題は親の問題     



子供達が問題ではなく、これは親の問題なのでは?と思いました。


親の世代が変わったのです。

親の考え方、対処の仕方が変わったことで、

子供達に影響が出ているように思います。




娘の親御さんたちの中でも私は年上の方になりますが、


日本で育った私とタイで育った他の親御さんたち。

年齢は私の方が年上だけど、彼らの方が昔の時代を経験してきている

と思うのです。


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私の夫はドーナツが好きで良く買ってきます。

スーパーへ行くとパン売り場へ行き、

ドーナツと他に何種類かを必ず買います。


なぜ?とずっと不思議に思ってきましたが、ある時聞いてみました。


「初めてドーナツが屋台で売られたのはいつごろ?」


「高校三年頃」


この返事を聞いて、だからドーナツなのか・・・と納得しました。



子供の頃に食べたお菓子は、一体どんなものだったのでしょうか?


恐らくもち米を使ったものや、イモ類くらいだったのかと・・・


それさえも、頻繁には食べられなかったのかもしれません。



時代が違うのです。私が小さい頃ドーナツは既にありました。


母はよくホットケーキを焼いてくれましたし、たくさんの苺を安く仕入れてきて

嬉しそうに苺のジャムを作ってくれたりしました。


母にとっては娘時代に憧れた『ホットケーキや苺ジャム』だったのだと思います。

夫が生きてきた時代が、私の両親と大して変わらないのです。

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ですから少々私が年上であっても、年下のタイの親御さんの方が

我慢する事も多く、苦労されているのかと思います。



だから、子供が少し大変な目に合っていても受け止める度量があるけど

昨年入ってきた子供の父兄はそうではない時代に育った

若い父兄が多いということなのかもしれません。



その父兄の親御さんは、私と大して年齢が変わらないとも考えられます。

高校卒業してすぐ、あるいは中学を卒業してすぐに出産する人は未だに多いのですから・・・




年配の先生からしてみれば、

父兄達は自分の子供と変わらない年齢でしょう。

子供と父兄と両方を育てる心構えで、大変でしょうけど



頑張っていただきたいです。



親から子供に受け継いでいくものは、

思いやりや柔軟性(環境に適合するというか受け止める)と、時には厳しさも必要なのだと

再確認させられた出来事でした。

























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